SpringSoft社について
業務概要
SpringSoft社は、半導体、電子システム業界にEDAソフトウェアを提供するグローバル・サプライヤです。同社は台湾株式市場に上場 (TSE: 2473) しており、アジアで上場している大手EDA企業2社の内の1社です。本社は台湾の新竹で、従業員は世界中で450名以上に及びます。
SpringSoft社は、ICの設計、検証時間を短縮できる独自の自動化技術を提供することに力を注いでいます。また、同社は半導体製品やそれに基づくシステム(コンピュータ、電気通信、IT機器、携帯機器、車載機器、医療機器等)を作る世界有数企業に対して、EDAソリューションを提供しています。
ミッションと戦略
SpringSoft社独自の自動化技術は、IC設計プロセスにおいて非常に複雑かつ困難なステップで、時間を短縮します。同社の製品戦略は、1)デザインの論理の正確さを把握し検証する、2)フィジカル・レイアウト設計を実装するという重要な設計業務に力を注いでいます。
複雑なIC設計には、EDAツールや関連技術の高度な協調や互換性が必要であり、SpringSoft社はこの分野のリーダとなっています。同社のHarmonyサードパーティ・コミュニティには、各社製品と密接に統合し、互換性を確保するために協働している65社以上のパートナがあります。また、SpringSoft社はSystemVerilog、SystemC、OpenAccess、Interoperable PDKをはじめとする業界スタンダードの強力なサポータであり、設計者の効率性やツールのインターオペラビリティを向上させるために、積極的に業界スタンダードの開発に携わっています。
会社の沿革
SpringSoft社は、Martin Lu、Johnson Teng、Jerry Wangによって、1996年台湾に設立されました。初期メンバーは、1980年代のECAD Systems社(後にSDA Systems社に買収され、Cadence Design Systems社となる)のR&D 部門の一部です。3名の創設者は、エンジニア業務に特化し、他のEDAベンダに代理店業務を任せることでSpringSoft社を台湾市場に送り出しました。
このチームの初期製品開発は、設計プロセスで非常に重要でありながらEDAベンダには見過ごされがちなデバッグに焦点を当てました。デバッグ・ツールは、エンジニアがデザインの動作や、検証ツールによって明らかになったエラー原因の把握に貢献します。SpringSoft社の創設者は、エラーの発見効率を大幅に向上させるDebussy® Debug Systemを開発し、大手EDAベンダーの主要などの検証ツールとも動作可能なスタンドアロン・ツールとして販売しました。
その直後、SpringSoft社はまた、ICレイアウト・ソリューションとしてLaker™ Custom Layout Systemの開発を開始しました。デバッギングと同様、ICレイアウトは非常に複雑かつ骨の折れる作業になっており、事実上手作業では不可能な作業を自動化できる優れたソフトウェアが必要とされていました。デバッグ・ソリューションと同様、SpringSoft社のエンジニアは、この複雑性に対処できる独自の技術を考案しました。
台湾外部の市場に参入するため、SpringSoft社は独立企業を設立し、北米とヨーロッパに同社製品を販売するという独自のビジネスモデルを構築しました。同社のデバッグ製品Debussyの販売、サポートを行うNovas Software社が1997年に設立されました。Novas社が開始した直後、SpringSoft社はLakerシステムを販売、サポートするSilicon Canvas社を設立しました。そして第三の企業であるNovaflow社は、検証エンハンスメントとIC設計製品双方のディストリビュータとして、2000年に日本に設立されました。後に、Springsoft社はハードウェア・アシスト検証技術を開発するForteLink社をサポートしました。これらの企業が、それぞれの経営陣を構成し、独自に活動を行いました。その後、Novas社は第二世代デバッグ製品Verdi™ Automated Debug SystemとSiloti™ Visibility Automation Systemの開発を支援しました。またNovas社は、5年連続して(EDAユーザによる)顧客満足度1位として、EE Times誌に評価されています。
2008年5月、SpringSoft社はこれらの独立企業すべてを1社のグローバル企業に統合しました。この際、Laker技術を補完する新興企業Nanovata社の買収により、新たな技術を追加しています。Novas社、Silicon Canvas社、Novaflow社の業務を統合したSpringSoft社は、同社製品を提供するより効率的な企業、実績のあるワールドワイド・チャネルとしての地位を確保しています。その後、2009年3月に、SpringSoft社は唯一の市販機能認証ソフトウェアの開発企業であるCertess社の買収を完了致しました。SpringSoft社は現在、世界のEDA企業の中でも上位5社の内の1社となっています。
取扱い製品群
同社は、検証エンハンスメント・ソリューションと Laker Custom IC Designソリューションという、エンジニアの設計時間を短縮する2つのプロダクト・ファミリを揃えております。どちらもオープン・プラットフォームをベースにしており、EDAデザインフローにおいて、他のツールと簡単に統合することが可能です。かつてないレベルのパーソナリゼーション、カスタマイゼーション、インターオペラビリティはもちろん、非常に優れた性能とキャパシティを提供することにより、ユーザの生産性を最大化するため、SpringSoft社は2012年にこのプラットフォームの新バージョンを発表しました。
検証エンハンスメント・ソリューション
検証エンハンスメント・ソリューションは、特定の機能が確実にチップに搭載されているか、またすぐにサインオフできる状態にあるかを確認する工程にかかる時間と労力を削減することに焦点を置いています。設計工程の約70%を締める検証作業は、IC設計でも重要な分野と言えます。
SpringSoft社のソリューションは、短期間でより多くの検証を可能にします。製品ラインには、デバッグ時間を半減するVerdi3 Debug Platform、シミュレーションを高速化するSiloti Visibility Automationソリューション、そして検証の不確実性を排除するCertitude Functional Qualification Systemがあります。これらの製品は、業界スタンダードの言語とインターフェイスを使用して、サードパーティのシミュレータと動作させることにより、チップのデザインフローを統一し、機能検証プロセスを通じて設計理解と生産性を向上させます。
FPGAベースのプロトタイプ検証市場に対して、SpringSoft社は、ProtoLink™ Probe Visualizerを提供しています。この製品はソフトウェアベースの手法を使用してデザインの可視性を劇的に向上し、重要なデザイン・モジュールや完全に統合されたSoCに対して広く採用されている高速かつ低コストのFPGAベース・プロトタイプボードのRTLデバッグを可能にします。
Custom IC Design ソリューション:最少の労力で優れた結果を実現
正確かつ最適化されたレイアウトは、チップ面積、消費電力、タイミング、マニュファクチャビリティ等、設計の仕様や制約を満たす上で重要です。
SpringSoft社のCustom IC Designソリューションには、デザイン・エントリ用のLaker Advanced Design Platformとアナログ、ミックスドシグナル、カスタム・デジタル設計のフィジカル・インプリメンテーションを行うLayout Automation Systemがあります。
Laker Custom Row PlacerとLaker Custom Digital Routerは、デジタル・カスタム・セル、スタンダード・セルの双方を、単一カスタムICレイアウト環境で配置配線することが可能です。Laker Blitzチップレベル・レイアウト・エディタは、チップ・フィニッシングに使用し、大規模かつ高密度のデザインの製造へのハンドオフを促進します。
SpringSoft社は、OpenAccess(OA)データベースをベースにした完全なフロントエンドからバックエンドまでのLakerフローにより、オープンかつインターオペラブルなカスタムICデザイン・ソリューションをご提供しています。SpringSoft社は、Interoperable PDK Library (IPL)と緊密に協力し、また異なるツール環境で真のインターオペラビリティを実現するために必要なインフラストラクチャや技術を開発、テスト、実装するために他のEDAベンダや重要なOAサポート企業と協力することにより、IC設計者がOAを利用できるよう努めています。
SpringSoft社コミュニティ
SpringSoft社の主要マーケットは半導体業界であり、同社製品はデジタル、アナログ、ミックスド・シグナル・デバイスを設計する主要ファブレス企業やIDMで使用されています。同社のソリューションは、マイクロプロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ (DSP)、特定用途向けIC (ASIC)、その他カスタム機器を設計するために使用されています。また、同社のカスタマは、コンピュータ、電気通信、ネットワーク、ワイヤレス、ゲーム、車載、医療、テスト機器をはじめとする広範な分野に対する製品を開発している大手システム企業各社のICデザイン・グループです。
SpringSoft社の検証エンハンスメント製品群は、1997年初期より広く使用されています。世界中のシステム設計者、IC設計者によって12,000以上のライセンスが使用されています。さらに、業界有数EDA企業、新興EDA企業、IPプロバイダ、半導体チップ企業が、各社の検証ツールとSpringSoft社の検証エンハンスメント製品を統合するためにSpringSoft社と協力しています。SpringSoft社の市場をリードする自動デバッグプラットフォームのOEM企業には、Cadence社、Mentor Graphics社、Synopsys社が入っています。
2001年以来、多くの世界有数の半導体企業が、20nmを含む最先端設計にLakerソリューションを採用しています。Laker技術は、Apache社、Ciranova社、ClioSoft社、Legend社、LogicVision社、Pulsic社、Pyxis社製品をはじめとするパートナ・ソリューション・リストに入っています。SpringSoft社はまた、インターオペラブル・プロセス・デザインキット(iPDK)やファウンダリ認定済みプロセス・デザインキット(PDK)をカスタムIC設計企業に提供するため、TSMC社、UMC社、Vanguard社、Dongbu HiTek社をはじめとする一流ファウンダリとパートナーシップを結んでいます。

